こんにちは。
みなさんはMCTオイルというオイルをご存じでしょうか?
ここ数年は「良質な脂質であれば、脂質はちゃんととったほうがよい」ということが常識になりつつあります。
参考 https://bodiet.jp/oil/
少し前にバターコーヒーが流行りましたよね、あれに入ってるものです。
某コンビニでも売っていて、私も好きでよく飲んでいます。今も飲みながらこの記事を書いています。
バターコーヒーはダイエットにいいらしい、というイメージ、ありませんか?
では、バターコーヒー、ひいてはバターコーヒーに含まれるMCTオイルはどんなものなのか?
どうダイエットや健康にいいのか?について今回まとめてみました。
Contents
▼MCTオイルってなんの略?
そもそもの疑問ですよね。
MCTとは「Medium Chain Triglycerides」の略で中鎖脂肪酸のことをいいます。
脂肪酸には、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸があり、炭素原子(C)が鎖のようにつながってできています。
中鎖脂肪酸は名前から連想できるとおり、「炭素(C)の鎖が中くらいの長さ」で、短鎖脂肪酸より炭素の数が大きく、長鎖脂肪酸より炭素の数が少ない脂肪酸のことです。
※参考までに
・短鎖脂肪酸はCが6個以下のもの
・中鎖脂肪酸はCが8~10個
・長鎖脂肪酸はCが12個以上
です。
▼MCTオイルは他のオイルよりも体にため込みにくく、エネルギーになりやすい
一般的に、わたしたちが通常食品から摂取している脂肪酸はほとんどが「長鎖脂肪酸」ですが
長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸の違いは、体の中の通り道とエネルギーに変わるまでのスピードです。
難しい話は割愛しますが、
長鎖脂肪酸は、その長い炭素分子(C)を分解するために、小腸で消化ホルモンの影響をうけ、リンパ管にのって脂肪や筋肉・肝臓に運ばれ、体の組織の一部として利用されたり、脂肪として体内に蓄積されていきます。
一方で中鎖脂肪酸は、小腸で吸収されたあと、直接肝臓へ運ばれるので、エネルギー変換が早く、また体にもたまりにくいのです。
▼中鎖脂肪酸はケトン体を作り出す
糖質の摂取量を制限すると、体が糖質の代わりにエネルギー源となるものを作り出しますが、これをケトン体と言います。
ケトン体は脂肪を分解してできるので、低糖質ダイエットをすることで体脂肪をエネルギーに変えて効果的なダイエットができると考えられています。
中鎖脂肪酸はそのケトン体を合成する働きがあり、低糖質ダイエットとの併用でより効率的に脂肪燃焼するという考え方です。
ただし、これについては、糖質を一切とらずにMCTオイルを摂取すればいいという話ではありません。
ひとつの見解としてご理解いただければと思います。
▼昔から医療現場でも使われてきた信用できるオイル
MCTオイルは昔から医療現場でも使われてきました。
腎臓や肝臓の機能が低下した方は食事でたんぱく質制限をする必要がありますが、
高齢者はたくさん食べれないうえにたんぱく質制限をすると1日の必要エネルギー量が不足して、痩せやフレイル(虚弱)につながります。
MCTオイルは無味無臭なこともあり、おかずやごはんに添加して提供することで、体に負担が少なく、手軽にエネルギー摂取できるので、
昔から医療の現場でも使われてきました。
▼最近注目されている「オメガ3(n-3)系脂肪酸」とはどう違うの?
ここまで読んだ皆さまの中に疑問に思った方もいるかと思います。
最近良質な油として積極的に摂ったほうがいいとされている、青魚に豊富なオメガ3系脂肪酸とはどう違うのか?
同じもの?どちらがより健康にいいの?というところです。
答えは、まったく別ものです。
青魚に含まれるDHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸は、DHAは炭素数(C)が22個、EPAはCが20個の「長鎖脂肪酸」なのです。
オリーブオイルもCが18個のオレイン酸という長鎖脂肪酸を多く含むので、MCTオイルとはまったく別ものです。
ただ、長鎖脂肪酸=体に悪い、太るものではありません。
DHAやEPAは血液をサラサラにしてくれる作用があり、動脈硬化などの予防になります。
オレイン酸も抗酸化作用があり、アンチエイジングにも効果的とされています。
長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸では体内の通り道が違う、それによる体内での反応が違うというだけで、どちらがいい悪いというものではありません。
▼ダイエットで利用するとしたら、どう使うか?
MCTオイルは無味無臭で、サラダ油やオリーブオイルのようなどろっとした重いテクスチャーではありません。
さらさらして、舌にも残らないので、おかずやごはん、スープなどに数滴かけるなどして摂取するとよいでしょう。
実際、患者さんに提供する食事でもこのようにして提供されます。
コーヒーに入っているのも納得ですね。
また、ある程度低糖質の食事にしつつ、3食少しずつMCTオイルの摂取を心がけるとよいかと思います。
食事にかけての摂取が難しければ、コンビニで売られているバターコーヒーを利用してもよいかもしれません。
さいごに
いかがでしたか?
脂質は奥が深いです。また、今回に限らず、ひとつの食品だけをとれば痩せるというものではありません。
栄養素は単独で働くわけではなく、すべて相互作用があるので、何事もバランスが大事です。
少しずつ、ご自身の体と相談しながら、ダイエットも食事も試してみてください。