第一に失敗しやすいダイエットは、無謀な体重目標を設定してしまうことです。私の場合で15キロ減に成功してリバウンドが無いのは、半年ほどかけて減量を行ってきたからです。急激な体重減は、体自体がついてきてくれません。特に体重60キロの人が、半年で40キロ台に持ってくるなどは、ダイエットに成功しても、まるで苦行のような食事制限を続けるしか無くなっていきます。そもそも、肥満傾向がある人は、中肉中背には戻せても、体質は全く痩せ型とは違います。1日のカロリー消費量も、体重が多い人の方がむしろ1日で使うエネルギーは多いのです。
Contents
失敗しやすいダイエット
1.いきなり30キロの減量を目指すこと
2.これまでやったことがない、ジョギングなどの激しい運動を日課にすること
3.偏食に近い偏った食事法を続けること
4.筋トレと減量を混同していること
ダイエットの基本は、まずは目標体重を低く抑え、その体重を出来るだけ長くリバウンド無しで継続できることです。春にダイエットを始めて夏場までに体重70キロの人が、40キロ台にするなど不可能に近いです。無理なく70キロが60キロに出来たのなら、5キロ刻みで2ヶ月かけて行えば、無理なく目標を設定しなくても、痩せていくことが実感できます。いきなり高い目標は、挫折した時のショックも大きいですよ。
とにかく「ダイエットにはジョギング」という方があまりに多いです。しかし仮に肥満傾向だった人がその体重で過剰に関節を痛めることは、ダイエット以上に怪我などの障害になる危険が有ります。ジョギングの趣味があるならともかく、運動といえば走れば良いというのは、あまりに軽率です。私の場合は15キロ減量でも、一度もジョギングはしたことはありません。
野菜だけで脂質を摂らなければ、当然体内の脂肪は使われるので、一時的に体重は減りますが、人の体は筋肉や内臓脂肪、骨と皮、内蔵と血管で構成されているので、脂肪が全て落とせるというのは、無理しなくても、食事全体の総量を少しずつ減らせば難なく出来ます。太っている人は、その体格を支えるために余計に食べているのですから、太る体質を維持できなくらいの空腹を克服する方が先なのです。実際、減量に成功した私の場合は、運動をしない1日で室内で過ごしている時は、1日2食や1食なんてのも多いです。それで病気一つしませんからね。余計に食べなければ体重は基本的に減るのです。
ダイエットの目的は、「理想のスタイル」を手に入れることですよね?栄養不良で肌がカサカサ、髪も抜け毛で薄くなるとか、シミやシワが目立つようではダイエット以前にスタイルが美しくありません。女性ならなおさらで、ダイエット中も美容については意識を持たなくては意味がないんです。また筋肉を鍛えて美しい体にしたいならまだしも、筋肉が発達してお気に入りの服が入らなくなったなんて、笑えませんよね。
カロリー計算はそもそもあまり重要じゃない
時々私も、ダイエットの相談を受けさせて頂くことがあるんですが、カロリー計算の話が頻繁に出てくることがあります。するといつも私は「そんな計算をしながらの食事って楽しいですか?」と尋ねますね。好きなものばかり食べるというわけではありませんが、ダイエットで「これは有効、これはダメ」など、細かいことばかり気にしていることが日常化すると、やがて疲れてストレスが貯まります。それに正確なカロリーが表示してあるのは、大抵が加工食品です。野菜や果物を買う時、カロリーまで表示してあるほうが珍しいですからね。ただ、糖質についてはある程度知識を持っていた方がダイエットには効果的です。糖質は体の至るところでエネルギーとして使われるので、このコントロールはダイエット効果にかなりの影響力があるといって良いでしょう。
ホントに軽い運動や、激しい運動は意味がない
私が夏場に本格的なダイエットを始めた時に、河川敷を利用してのウォーキングをスタートしたんですが、その中で毎日不思議な光景をよく目にしました。
それは中高年男性に非常に多いのですが、「足を引きずりながらジョギングで、スピードは歩く速度と変わらない」とか、「自転車に乗りながら、腕を上げたり下げたり、首を回している」など、意味不明な運動方法を数多く目にしました。恐らく健康運動のつもりでしょうが、体のどの部位にも負荷がかからない運動効果はどれくらいあるのでしょうか?
普段運動を日課としていない人では、軽いストレッチは必要なことです。しかし、「運動」とは、身体のエネルギーを消費しながら、血流とか、血行をよくするためとか、汗を流して新陳代謝を促すということです。そういう意味では体に多少の負荷がかかルカもしれませんが、肩の力を抜き、ダラダラ動いて楽な姿勢で運動しても、健康効果でさえも低いでしょう。
ウォーキングも、散歩のようなスタイルでも長時間歩けばそれなりにカロリーを消費します。一方の激しいジョギングは、運動した疲労感と達成感はありますが、ゆっくりした呼吸で行う運動に比べれば、実際はカロリー消費は特別大きなものではありません。室内ストレッチを本格的にやると気がつきますが、普段使わない筋肉を動かすのは、それこそ高いエネルギーを必要とするのです。運動したという実感よりも、筋肉がカロリーを使っているという実感の方が、ダイエットの実感はハッキリ自覚できます。
月目標ではなく、1日目標にすること!
ダイエットの体重目標は、長期の目標は大抵の場合、必ず途中で苦痛になっていくものです。これはダイエットとは無関係な話ですが、投資の専門家にお伺いすると決まって答える投資のコツは「小さい積み重ねを増やす」ということなんだそうです。例えば、50グラム程度は誰でも気にしていませんが、これが1日3回となると150グラムです。10日で1.5キロとなるんですから、グラムという単位は馬鹿に出来るものではありません。
例えば、ご飯1杯の標準的なグラム数は約250グラムです。つまり4杯食べれば1キロになります。カロリーで計算すると量はわかりづらいのですが、こうして考えると、胃の中にある重量は腸に至って排泄されるまで、体内の荷重はあまり減りませんから、それがそのまま体重に響くことになります。カロリーとは熱量ですので、量が少なくて良いのは熱量の多い油脂や脂肪と思いがちですが、低カロリーでお腹一杯食べれば、体重の観点からはなにも変わってないのです。
従って、1日の「食べる量」が問題であり、塵も積もれば山となると同じで、1日グラム単位で食事制限を設定する方が、毎日体重計に乗れば結果はすぐわかるのです。その積み重ねが最終的に月の目標値になるということになります。
減った時だけ体重計に乗るな!
人が食事をして消化にかかる時間は、平均で胃の中で約3~5時間、小腸の中で約5~8時間、胃に食べ物が入り、肛門から排泄されるまで約40時間かかるとされています。つまり24時間では、食べた分量は体のどこかに残っているわけですね。果物は約40分、野菜は約2時間、ご飯などの炭水化物は約8時間、お肉は約12~24時間がかかりますので、当然ですが食べた時間と体重計に乗る時間の関係で、数値の変化はあります。
体重計の活用はダイエットにはホントに重要で、排泄後に体重計、食事後に乗り、運動後に体重計に乗れば、何が自分の本当の体重なのか正確に知ることが出来るはずです。5キロ減った、1キロ減ったということではなく、「空腹を感じない食間の体重」というのは、運動をするべき時間帯と重なります。出来るだけ消化が進んで、体の中に食べ物がない状態であれば、運動によるカロリー消費は体重変化に直結してゆくのです。
とにかくダイエットを成功させたければ、体重計はもっと活用するべきでしょう。
まとめ
ダイエットに失敗しやすいのは、よく言われる「無理な減量」というのは間違いではありません。それと同時に、体の仕組みを理解してない点もあげられるでしょう。運動も趣味ならともかく、ダイエット終了後にやめた途端に太るのなら、結局は継続しないと無意味ですし、それが長期間自分の生活に合うかどうかはわかりません。結局はダイエット特別メニューというよりも、理想の体型に相応しい生活スタイルに戻す、あるいはそこを目指すのが本筋なんですよね。それが常態化しないと効果は無いに等しいのです。